タチカワスプーンペン NO.600EF 紙箱 B80
タチカワスプーンペン NO.600EF 紙箱 B80
1箱2,800円(1グロス)
売切れ
硬質クローム JISマークあり サジペン
定価¥400. 昭和34(1959)~昭和41(1966)年頃
紙箱最後の時代の品です。この後プラスチックケースになりました。
ニュームペンはこちら⇒タチカワスプーンペン NO.600EF ニューム紙箱 B259

次の3種からお選びください。
左:B80a 未開封、透明フィルム包装なし
右:B80b 未開封、透明フィルム包装あり←売切れ
写真なしB80c:開封済
フイルム包装、紙箱には汚れやキズがあります。
左:B80a
右:B80b フイルム包装に染みがあります
ペン先の刻印 : 細字 JISマーク NO.600EF TACHIKAWA MADE IN JAPAN
「定價 1哥¥400.」と記載されていますが、1哥とは1グロスの意味です。
先摺り(さきずり:インクを保持するための細かい傷、溝)の細い溝が、ペン先の先端に1本入っています。(写真右 赤丸内)
この後に発売されたプラスチック容器入りの同じタチカワスプーンペン(600EF 写真左)にはありません。先摺りの細かさも違っています。
先摺り(さきずり:インクを保持するための細かい傷、溝)が細くしっかりと刻まれています。この時代の製造技術は今より高く丁寧だったのではないでしょうか。職人さんがグラインダーで刻みます。
この先摺りはメーカーや時代により微妙な違いがあります。

ペン先の裏側にも入っています。
この先端にある1本の先摺りはゼブラなどのペン先にも見られます。
摺ったものではなく先端を反り返す際にできる折り目なのかもしれません。
ペン先の歴史
戦前は輸入品のムッソリーニペンが市場独占でした。その後スフィンクスペン、そして戦後に国産の丸善オリオンが発売されました。しかしまもなく消えてしまいます。
戦後まもなくのころは国内に40社を超えるメーカーがありましたが、ライオン・日光・ゼブラ、それに次ぐタチカワ・エレガントの大手5社が主流となっていきます。
戦前には物価統制をうけ、戦後には資材統制が行われるなど統制経済社会の中で鋼ペン先の生産技術や品質が磨かれました。
材料
鋼ペン先の材料である特殊鋼は、時計のゼンマイ・製材用の帯鋸(おびのこ)や洋傘の骨、安全剃刀などに使われているものでした。
製造工程
材料の品質の吟味、焼入れ・加工・鍍金(メッキ)に経験を積んだ熟練技術者を必要としました。
出来上った製品は厳格な検査で選別されたのですが最初は大量の不良品が積み上がったといいます。素材の特殊鋼の低品質、加工用機械の加工精度不足、作業者の未熟などにより均一性のある製品がなかなか生まれませんでした。
しかし、鋼材の品質改良の要請、機械の改良、加工技術の向上により世界に誇る優秀な製品が作られるようになりました。
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古来から筆墨文化だった日本には、ペン先使用の習慣はありませんでした。明治初期に鋼ペン先が輸入されてからしばらく、日本の全需要は、イギリスなど外国の製品によってのみ充たされていました。
戦後、ペン業界の努力によって、日本工業得意のキメ細い高品質の鋼ペン先が造られ輸出するまでになりました。
◇参考資料:ペン先の歩み(平成7年8月 日本鋼ペン先工業組合発行)
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E-9 190708