紙芝居
紙芝居

紙芝居「くろすけ」 昭和28年発行
12枚¥2,700.
あきからはるの巻 制作:株式会社教育画劇

◇昭和の紙芝居
飴などを売ることで商売する街頭紙芝居が始まったのは、昭和5年(1930)頃でした。
「黄金バット」や「少年タイガー」などの娯楽作品の人気とともに全国に広がっていきました。
キリスト教や仏教の布教や、教育にも紙芝居が導入されました。
昭和13年、日本教育紙芝居協会が設立され、積極的に国策紙芝居が印刷されて出版されるようになりました。印刷紙芝居は大量に作られ、全国の学校や隣組の常会などで子どものみならず大人にまで利用されるようになったのです。
戦争とともに姿を消していた街頭紙芝居はいち早く復活し、戦前以上の人気を博するようになりました。
しかし、手書きの紙芝居を配給する制度が負担となり、テレビの登場とともに次第に姿を消していきました。
印刷紙芝居は、戦中・戦後を通して国策や宗教普及、学校教育などに利用されましたが、現在でも、マンガやアニメなどを題材にした娯楽紙芝居や、学校などで行われる教育紙芝居として引き継がれています。
鹿野光代さん所蔵写真
昭和30年代、那須塩原市の片田舎にも、自転車に紙芝居と水飴や酢昆布などの駄菓子を積んで紙芝居のおじさんがやってきました。
いつもの時間に拍子木の音が聞こえると5円玉を握り駆けつけました。
そのころ私の家に遊びに来ていた一つ歳上の従兄は、「5円玉を持っていなかったために、近くで見てはだめだと遠ざけられて恨めしかった」と、50歳を超えてからはじめて私に打ち明けました。
私は全く覚えていないことでした。
紙芝居への思い出は各人各様だと思います。
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