骨董用語集

骨董用語集

▼あ

あわせばこ(合箱)

品物が本来の箱に入っていないで、それらしい別の箱に入っていること。

あらもの(新物)

これはよく聞く言葉で、新しそうなものをアラモノといいます。古いものではないということです。

▼い

いまりやき(伊万里焼)

有田(佐賀県有田町)を中心とする肥前国(現代の佐賀県および長崎県)で生産された磁器の総称。製品の主な積み出し港が伊万里であったことから、消費地では「伊万里焼」と呼ばれました。有田の製品のほか、三川内焼、波佐見焼、鍋島焼なども含みます。
日本では中世までのやきものは陶器であり、磁器は輸入品に頼っていました。初めて国産磁器の製造が開始されたのは17世紀、有田でした。

▼う

うぶだし(初出し)

「出したて」という意味です。店を転々とした品でなく、蔵や個人宅からぽっと出たばかりの品のことです。

▼お

往来物

江戸時代に寺子屋で使われた教科書です。往復書簡を集めた形式になっているためこう呼ばれます。『庭訓往来』『商売往来』『百姓往来』などがあります。
教科書の代名詞になっています。
寺子屋の教科書には往来物の他に、『いろは覚え』、人名が列挙されている『名頭』『苗字尽』、地名・地理を学ぶ『国尽』『町村尽』、『四書五経』『六諭衍義』などの儒学書、『国史略』『十八史略』などの歴史書、『唐詩選』『百人一首』『徒然草』などの古典があります。

▼か

かいゆう(灰釉)

木々や藁の灰を原料とした釉薬、またはその釉薬を掛けて焼かれた陶器のことです。

かおう(花押)

文書の末尾などに書く署名。 平安末期ごろから実名の下に書かれるようになり、印鑑のように用いられました。

柿釉(かきゆう)

「柿釉(かきゆう)」は、益子焼を代表する釉薬(ゆうやく)です。
材料は、地元の山の岩を砕いたもので、粉末にしてから水で溶くと、柿色に発色する釉薬となります。

柿釉は、かける量や、焼く温度で仕上がりが大きく異なります。
深みのある色を出すには、釉薬の変化をコントロールする高い技術が必要だといいます。

益子焼の持つ柔らかい質感と素朴で温かみのある益子の土に良く似合っています。
益子では濱田庄司をはじめ、民芸陶器を焼く作家たちは柿釉の作品をたくさん残しました。

かっちゅう(甲冑)

日本の伝統的な防具。大鎧・胴丸・腹巻・当世具足に大きく分けられます。

唐草紋様

植物の蔓が絡み合うパターンを「唐草」と呼びます。植物そのものに「唐草」という種類があるわけではありません。
古代ギリシャの神殿に見られる唐草が最も古いと言われています。それがメソポタミアやエジプトに伝わりシルクロードを辿り日本へと伝来しました。

▼き

きっしょうもん(吉祥文)

縁起がいいとされる動植物や物品などを描いた図柄(宝ずくし、鶴亀、松竹梅など)。陶磁器や布などの文様として使われます。

きんつぎ (金継ぎ)

割れたり欠けたりした陶磁器を修復する日本古来の技術です。
金繕いとも言います。
金継ぎの主役は「漆」です。まず天然の接着剤の漆で接着します。
次に接着した部分を金粉で装飾して仕上げます。

漆で接着すると継ぎ目に漆の跡が残ってしまいますので、その跡を隠すために金粉を使います。蒔絵(まきえ)と同じ技法です。

景色が変わりかえって味わいが出る場合があります。

▼こ

こいまり(古伊万里)

伊万里焼のうち、江戸中期(あるいは後期)頃までに作られたものを呼びます。

こせん(古銭)

古い時代の貨幣。江戸時代の寛永通宝以外の古い銭貨や、中国から渡来した開元通宝、永楽通宝などの銭貨をいいます。

こっとうひん(骨董品)

希少価値あるいは美術的価値のある古道具、古美術品の総称です。

こみんぐ(古民具)

庶民が使っていた古い時代の日常生活用具の総称です。

▼し

しがらきやき(信楽焼)

滋賀県甲賀市信楽町を中心に作られる日本の伝統陶磁器で、日本六古窯のひとつです。

じき(磁器)

陶器より高温で焼成した吸水性のない、素地が白色で半透明の硬い焼物。有田焼、九谷焼などがあります。

ジャンク品

キズや部品の欠品などがあり本来の利用ができないものです。
長く保管していると木製品は、虫食い、湿気などによる腐食、機械類は金属部分のサビなどにより、本来の機能をはたせなくなります。
希少なものもあります。少しづつ掲載していきます。お部屋やお店の雰囲気づくりなどにご利用ください。

縄文象嵌(じょうもんぞうがん)

作品に縄目を施して色の違う土をはめ込む(象嵌する)技法です。
「民芸陶器(縄文象嵌)」の人間国宝である島岡達三によって考案されました。
成形した作品が半乾きの状態で縄を転がして模様をつけます。次に縄模様の凹んだ部分を含め、全体に化粧土を塗ります。そして乾燥したら表面を薄く削り取るという工程です。すると縄で凹んだ部分には化粧土が残り、もともと平らな部分は化粧土がはがれて下地があらわれます。

▼そ

象嵌(ぞうがん)

工芸技法のひとつです。 象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味があります。一つの素材に異質の素材を嵌め込むと言う意味です。
陶象嵌の他に、金工象嵌、木工象嵌などがあります。

削げ(ソゲ)

陶器などの口縁などに薄くて小さいカケ落ちがある事です。

染付(そめつけ)

 白色の素地に藍色の顔料(呉須<ごす>;酸化コバルト)で文様を描き、ガラス質の透明な釉薬をかけて焼いた陶磁器。一般には磁器のことを言います。染織の藍染に色彩が似ているのでこの染付と言われるようになったとされています。中国では元末〜明初のもの、朝鮮では李朝が名高く、日本では初期伊万里に始まり、瀬戸焼、京焼など各地で名品が生まれています。
 染付(手描き)での絵付けであり、当時の陶器はとても高価で、庶民は木や竹の器などを主に使用しておりました。
その後印判の技術が生まれ大量生産が可能となり庶民にも行き渡りました。

▼ち

ちりめん(緬)

絹織物の一つで、縦糸に撚りのない糸を、横糸に強い撚りのあるを用いて織り込んだ、布地一面にしぼのある織物のことです。

▼と

とうき(陶器)

素地(きじ)に吸水性があり不透明で、その上に光沢のある釉薬を用いた焼物。栗田焼、薩摩焼などがあります。 焼物全般の総称としても呼ばれます。

ともばこ(共箱)

作者が作品を入れた箱の蓋の裏か表に署名し、そのまま作品と共に残っている箱のことです。

▼に

にゅう(入)

焼き物に入ったヒビ割れ。釉薬だけのヒビ割れは貫入(かんにゅう)と呼ばれます。

▼は

白釉(はくゆう)

白釉徳利白釉徳利
柿釉(かきゆう)などど並ぶ益子焼の代表的な釉薬(ゆうやく=うわぐすり)のひとつです。
糠白釉(ぬかじろゆう)と呼ばれ、籾殻(もみがら)を焼いた灰から作ります。焼くと、白色になります。
益子焼特有の柔らかい質感がでます。

はんが(版画)

木版・銅板・石版・写真版などで刷った画の総称。主に木版画を指します。

ホツ

ごく小さなカケ

▼ま

まきえ(蒔絵)

漆で模様を描き、その上に金銀錫粉や色粉を蒔きつけて、文様を表わしたもの。 工芸品全般や刀剣の鞘・刀掛等に用いられます。

益子七釉

柿、並白、糠白、黒、泥並、飴、灰釉の七つの釉を益子七釉といいます。
いずれも益子の伝統釉として、昔から使われてきました。
益子のルーツは民窯です。
他の民窯同様、半陶半農の生活の中から生まれ、籾灰や土灰をよく使い、そこに土や鉄分を混入して様々な釉薬を生み出しました。

ましこやき(益子焼)

栃木県芳賀郡益子町周辺を産地とする陶器。江戸時代末期、嘉永年間に常陸国笠間藩(現笠間市)で修行した大塚啓三郎が益子に窯を築いたことにより始まったとされています。
当初は水がめ・火鉢・壺などの日用品が主でしたが、1927年より創作活動を開始した濱田庄司(後に人間国宝)によって花器・茶器などの民芸品が作られるようになり、日本全国に知られることとなりました。
濱田庄司に作陶を学んだ島岡達三も人間国宝に認定されました。重厚な色合いと軟らかい質感が特長です。

1979年、通商産業省(現経済産業省)に、伝統的工芸品に指定されました。
毎年、春のゴールデンウイークと秋の11月3日前後に益子陶器市が開催され500を越える店舗が出て賑わいます。

▼み

微塵唐草

みじんは木っ端微塵の微塵です。江戸後期に花唐草を単純化した文様として出回りました。この文様を前面に描くのは簡単な技術ではなかったはずです。

みのやき(美濃焼)

美濃国(現在の岐阜県多治見市、土岐市、可児市など)で焼かれた陶器の総称です。

▼む

向付け(むこうづけ)

茶懐石料理の膳で手前に置く飯と汁の両椀に対して、器を向こう側に置くところからつけられた、なますや刺身の料理の名称。またこれらを入れる奥側に配膳される器のことです。
向付に対して、手前に配膳される器や料理を先付といいます。

▼ゆ

ゆうやく(釉薬)

陶磁器の表面にかけるガラス質の薬品。うわぐすりとも呼ばれもます。 光沢を出す装飾としての役割の他に、防水の効果もあります。

▼ら

らっかん(落款)

落成款識(らくせいかんし)の略語。 書画が完成した際に製作日や雅号性名などを書き、末尾や絵画の余白へ押印されたものです。

▼わ

わじまぬり(輪島塗)

石川県輪島市で作られる漆器。江戸時代は堅牢な漆器として農家で使用され、明治時代に入ると、沈金装飾が施されるようになり、旅館などでも使用されました。

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