小學唱歌集 初編 明治14年 C06

小學唱歌集 初編 明治14年 C06

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-1 2,500円
   18.5×12.5センチ 売切れ
 明治14年11月24日に初版が発行されました。その前年(明治13年:1880年)に宮内省雅楽課が旋律を定めた国家「君が代」が掲載されていますが、その旋律は現在のものと違っています。

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-2
 発行されてから130年ほどになります。ヤケ、汚れ、キズがあります。

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-3 小學唱歌集 初編 明治14年 C06-4

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-5
 文部省音楽取調掛 唱歌集 小學校師範學校中学學校教科用書

現在の国歌「君が代」の旋律は、1893年(明治26年)の文部大臣井上毅の告示以降に儀式に使用されたものです。
明治30年(1897年)11月19日の陸軍省達第153号により「君が代」はようやくエッケルト編曲の現国歌に統一されました。

1930年には国歌とされ定着したましたが、正式に日本の国歌として法制化されたのは、1999年(平成11年)、「国旗及び国歌に関する法律」でした。世界で最も短い国歌です。

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-6 

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-7 小學唱歌集 初編 明治14年 C06-8
 初版は明治14(1881)年11月24日に発行されました。これは明治22(1890)年10月発行の4板です。

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-9 

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-10

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-11
 第一「かをれ」 第二「春山」 第三十「五倫の歌」まであります。

変体仮名で書かれています。
現在の「あ、い、う、え、お」の字体に統一されたのは、1900年(明治33年) です。(小学校令施行規則改正)  それまでは、くずし字の元になる漢字(母字)が異なる現在の平仮名と違う平仮名がありました。これを変体仮名と言います。

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-12

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-13

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-14
 現在の国家の旋律(下)と比べると、音域が狭く、穏やかです。

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-15
 詩は古今和歌集となっています。
 古今和歌集』の「読人知らず」の和歌が初出とされています。しかし、この和歌の初句は「我が君は」になっています。時代を経て「君が代」になりました。

作曲は、林 廣守(はやし ひろもり、天保2年11月25日(1831年12月28日) - 明治29年(1896年)4月5日)となっています。幕末・明治前期の雅楽演奏者です。

宮内省雅楽局(宮内庁楽部)に所属、明治8年(1875年)、西洋音楽の学習を命じられて、以後西洋音楽の理論と雅楽の融合に努めることになりました。明治13年(1880年)、楽人を代表して国歌制定委員となり、同年10月に現在の「君が代」の楽譜案を提出し、同年の11月3日の天長節において初めて演奏を行いました。

小學唱歌集 初編 明治14年 C06-16


次の全33曲が掲載されています。
歌詞のみ掲載。振り仮名は省略。変体仮名は現代のかなに直しています。
 
第一 かをれ
かをれ。にほへ。そのふのさくら。

第二 春山
はるやまに。たつかすみ。

第三 あがれ
あがれ。/\。広野のひばり。

第四 いはへ
いはへ。/\。きみが代いはへ。

第五 千代に
ちよに。/\。千代ませきみは。

第六 和歌の浦
わかの浦わに。夕しほみちくれば。

第七 春は花見
はるは。はな見。みよし野。おむろ。

第八 鶯
うぐひす。きなけ。

第九 野辺に
野辺に。なびく。ちぐさは。

第十 春風
春風。そよふく。やよひのあした。

第十一 桜紅葉
春見に。ゆきませ。芳野の桜。

第十二 花さく春
花さく。はるの。あしたのけしき。

第十三 見わたせば
見わたせば。あをやなぎ。花桜。

第十四 松の木蔭
松のこかげに。たちよれば。

第十五 春のやよひ
春のやよひの。あけぼのに。
第十六 わが日の本
わがひのもとの。あさぼらけ。

第十七 蝶々
てふ/\てふ/\。菜の葉にとまれ。

第十八 うつくしき
うつくしき。わが子やいづこ。

第十九 閨の板戸
ねやのいたどの。あけゆく空に。

第二十 蛍
ほたるのひかり。まどのゆき。

第二十一 若紫
わかむらさきの。めもはるかなる。武蔵野の。
 
第二十二 ねむれよ子
ねむれよ子。よくねるちごは。ちゝのみの

第二十三 君が代
君が代は。ちよにやちよに。さゞれ

第二十四 思ひいづれば
おもひいづれば。三年のむかし。

第二十五 薫りにしらるゝ
かをりにしらるゝ。花さく御園。

第二十六 隅田川
すみだがはらの。あさぼらけ。

第二十七 富士山
ふもとに雲ぞ。かゝりける。
 
第二十八 おぼろ
おぼろににほふ。夕づき夜。

第二十九 雨露
雨露におほみやは。あれはてにけり。

第三十 玉の宮居
玉のみやゐは。あれはてゝ。
 
第三十一 大和撫子
やまとなでしこ。さま/゛\に。

第三十二 五常の歌
野辺のくさ木も。雨露の。

第三十三 五倫の歌
父子親あり。君臣義あり。

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