『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」1



  売切れ
「如是我聞」(にょぜがもん)
 第4回(最終回)
  ¥2,500. 

どちらにも強いヤケ、小キズ、角折れなどがあります。 
 20.5×15cm

 第4回最終回。「太宰治昇天」(石川 淳 いしかわ じゅん)も掲載されています。 

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」2

昭和23年 1月の上旬に太宰は喀血します。3月から山﨑富栄に付き添われ、栄養剤を注射しながら5月にかけて「人間失格」を執筆しました。

一方、「如是我聞」で志賀直哉ら文壇批判をします。疲労はなはだしく、不眠症もつのり、しばしば喀血します。

そして、6月13日深更、「グッド・バイ」の草稿、遺書数通名などを机辺に残し、 富栄と共に玉川上水に入水しました。39歳でした。
      詳しくは → 太宰治の年譜

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」3

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」4

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」5
本誌は夏季小説特集號であるが、内容は太宰氏追悼號のやうになってしまった。巻頭の写真はこの三月、太宰の好きな三鷹上水の堤で撮ったもので、服装は暑苦しいが記念的なものなので掲載した。(編集後記より)

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」6
 「太宰治昇天」(石川 淳 いしかわ じゅん)も掲載されています。
   ⇒ 写真「太宰治昇天」のページ
 その他、『不良少年とキリスト』坂口安吾など。

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」7
志賀直哉ら文壇批判をしています。

[冒頭]
或る雑誌の座談会の速記録を読んでいたら、志賀直哉というのが、妙に私の悪口を言っていたので、さすがにむっとなり、この雑誌の先月号の小論に、附記みたいにして、こちらも大いに口汚なく言い返してやったが、あれだけではまだ自分も言い足りないような気がしていた。いったい、あれは、何だってあんなにえばったものの言い方をしているのか。
 掲載分 ⇒ 「如是我聞」第4回

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」8
 ⇒ 如是我聞」全文

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」8

『新潮』昭和23年7月号 太宰治「如是我聞」9


太宰治「如是我聞」
太宰は「津軽」で、蟹田町に行った時に旧友達が太宰を囲んで宴を開いてくれた時のことを書いています。

その中で、当時、大作家として名を馳せていた"五十年配の作家"(志賀直哉と名指しはしていませんが「神様」と呼ばれている、と書いたことで明白です)について聞かれ、人の悪口を言って自分を誇るのは甚だいやしいことだが、と前置きしながらも、世間も文壇も、その大作家を畏敬に近い感情で評価していることに、一種、腹立たしい感情を持っていたのか、彼の作風を厳しく批判しています。
きっと志賀直哉自身にというより、彼に象徴される世間の偏った高尚趣味、若い作家達の彼へのとりまき、へつらい、に嫌悪感を抱いていたのではないでしょうか。やっかみも少しはあったかもしれません。

これを読んだ志賀直哉が、座談会の席上で仕返し(?)に太宰の作風をけ
なすなどしてバトルが始まったようです。
太宰と井伏鱒二には確執がありました。
井伏は太宰が故郷青森から上京した時から頼っている文壇の先輩であり、私生活でもいろいろと面倒をみてもらっていました。

太宰は候補になっていた第一回芥川賞を逸したり、その後もあの手この手で受賞の依頼をするなどしても(川端康成におねだりの手紙を書いたりしています)思うように行かず、また女性問題等でもトラブルがあるなど、徐々に生活に行き詰まりを感じ、薬物中毒に陥ったりしていきます。
井伏も当時は貧乏作家で、さほど将来を嘱望されるような作家ではありませんでした。

そんな中、井伏が「ジョン萬次郎漂流記」で直木賞を取りますが、その作品に盗用が見られるとし(後に大傑作とされる「黒い雨」にも盗用論争がありました)それに嫌悪した太宰が、井伏批判、そしてその背後にある文壇、世間、その象徴である"老大家"の志賀直哉批判、と日頃の不満が発展し、たまりにたまったうっぷんをはき出すように、意を決して「如是我聞」を発表するに至ったのではないかと考えられています。
遺書には「井伏さんは悪人です」とあります。

「如是我聞」で太宰は「その者たち(老大家)の自信の強さにあきれています。
……その確信は……家庭である、家庭のエゴイズムである」などと言ってますが、津軽の名家に生まれながら真の家庭的愛情に恵まれなかった太宰の本音がそこに伺えます。

「如是我聞」は、死ぬ数ヶ月前、心中した山崎富栄の部屋で、新潮社の編集者、野平健一が口述筆記し、死後に発刊されています。

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NO.005 B-132

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