''何のために抗がん剤治療を受けるのか''

何のために抗がん剤治療を受けるのか

2018.2.17文春オンラインより

「効く」の意味を知っておくことが大切です。

 がんになると多くの人が医師から抗がん剤治療を受けるように言われます。しかし、本や雑誌、ネットなどで「抗がん剤は効かない」「受けない方がいい」などと主張している医師もいます。そうした記事を目にして、迷う人も多いのではないでしょうか。
 そのようなときにはまず、何のために抗がん剤治療を受けるのかを知っておく必要があると思います。抗がん剤治療の目的としては、大きく次の3つがあげられます。
 (1)がんの完治をめざす
 (2)術後の再発を防ぐ 
 (3)延命をめざす

私の家内は、(2)術後の再発を防ぐ ために、摘出手術の後、3年にわたり定期的に抗がん剤を服用しました。副作用は、脱毛、しびれ、動悸、脱力感、うつ、など様々でした。抗がん剤は、がんの再発、転移を抑えるのですが正常な細胞にもその効用は作用します。

 (1)がんの完治をめざすは主に、白血病や悪性リンパ腫など「血液がん」の場合です。血液がんは抗がん剤がよく効く場合が多いので、抗がん剤でがん細胞をゼロに近づけること(寛解)が目的になります。近年では抗がん剤の進歩で成績も向上しました。ですから、血液がんで抗がん剤治療を否定する医師はいないと思います。

一方、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなど、腫瘍(かたまり)をつくる一般的な「固形がん」は、通常は抗がん剤だけで完治させるのは困難です。そこで、手術によって腫瘍を取り除くとともに、体のどこかに残っているかもしれない目に見えないがん細胞を叩く目的で、つまり(2)の再発を予防するために使われます。多くは術後に行われますが、腫瘍を小さくする目的も含め、術前に行われることも増えました。また、放射線治療の効果を高めるために抗がん剤が併用されることもあります。

 (3)延命をめざすの場合は、がんが進んで手術ができない場合です。がんを完全に治すのは難しいので、抗がん剤によって延命をめざすことになります。また、腫瘍を小さくして呼吸困難などの症状を緩和するために抗がん剤が使われることもあります。
  抗がん剤の価値は「効く」「効かない」の二元論で考えるべからず

 したがって、抗がん剤治療を受けるかどうか迷った場合には、まず、何の目的で行うのかを理解したうえで、その目的をどれくらい達成できそうか、臨床試験のデータに基づいて主治医に説明してもらうことが大切でしょう。
 たとえば、(2)術後の再発を防ぐの場合は「100人受けて何人くらいの再発予防が期待できるのか」、(3)延命をめざすの場合は「平均して何ヵ月あるいは何年ぐらいの延命が期待できるのか」といったことが、聞くべき数字となるでしょう。そうした目的や数字を理解しておかないと、「治ると思って受けたのに、苦しいばかりで効かなかった」と不満が残ってしまうかもしれません。
 さらに、年齢や体力などに加えて、患者の価値観も考慮する必要があります。「わずかでも効果があるなら念のため受けたい」「どんなに苦しくても1日でも長く生きたい」という人がいる一方で、「それくらいの効果なら、副作用で苦しんでまで受けたくない」という人もいるでしょう。
 このように抗がん剤の価値は「効く」「効かない」の二元論で考えるべきものでなく、その目的や効果を適切に理解したうえで、受けるかどうか選択すべきものだと私は思います。
  (鳥集 徹)

がんに関する情報はネットなどにあふれていますが、基本的な知識は持って置いた方が良いと思います。

がんの代表的な治療方法
三大治療:手術(外科治療)、薬物療法(抗がん剤治療)、放射線治療
がんと診断されますと、これらは「標準治療」と呼ばれる治療が勧められます。1つだけで実施されることは少なく、病状に応じて組み合わせての治療が多くなっています。
 その他に、免疫治療、温熱療法、代替医療(補完医療ともいう健康食品やサプリメント)などがあります。

さらに、先進医療と呼ばれる治療法があります。
混合診療として保険適応になるものや保険適応外のものまで100を超えています。
先進医療保険への加入や加入している医療保険に先進医療特約を付加することなどで対応します。

がんにはどんな治療法があるのでしょう

◇東北大学の海野倫明教授

2018.1.27に開催されたフォーラム「がんと生きる」より

局所治療の手術と黎射線、全身治療の抗がん剤の三つが中心です。
最近はこの三つをうまく観み合わせた「集学的治療」が進歩しています。

手術は腹腔鏡手術などの傷が小さくて済む方法が標準的になっています。
抗がん剤では、がん細胞だけを狙って攻撃する「分子標的凛」が次々開発されています。

また、体力のある手術前に抗がん郵治療を行う「術前治療」が増えています。
手術ができないと締めていたのが、抗がん利治療でがんが小さくなったことで手術に切りかえるケースも出てきました。これを「コンバージョン手術」といいます。新たな選択肢として広まりつつありますが確実なエビデンスが揃っていない上、場合によっては手術を選択するのが難しいこともあります。

海野倫明教授
東北大学大学院医学系研究科 副研究科長 消化器外科学分野・教授
都北大学病院 肝胆膵外科・胃腸外科科長

枠内は専門家ではない私が、経験などからまとめたものです。
その他は「文春オンライン」の記事の抜粋です。

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